循環器科

循環器科とは

循環器科は、心臓や血管、腎臓の病気の専門家です。息切れや胸痛、動悸など心臓に関わる症状、また、血液関連の症状では、血液の流れや圧力が正常ではなくなる不整脈や高血圧症、動脈硬化、生活習慣病などの症状についての診察と治療も行います。当院では、特に動脈硬化の原因となる「高血圧」「脂質異常症(高脂血症、高コレステロール血症)」「糖尿病」の治療に力を入れております。
こんな症状がある方に、循環器科の受診をおすすめします。
胸や背中が痛くなる
動悸がする
めまいがする
息切れがしやすい
血圧に異常があると言われたことがある
夜間や早朝に発作が起きる
疲れやすい
手足のむくみ
脈が飛ぶ感じがする
冷や汗が出る

循環器科で扱う主な疾患

高血圧症
現在、日本には高血圧患者数が約4300万人いるといわれ、その中で目標血圧を達成できている人は約1200万人。高血圧患者の4人に1人だけです。残りの人は高血圧症がありながら放置していたり、薬を服用していても血圧管理が不十分な人になります。コレステロールや血糖もそうですが、血圧は少々高くても自覚症状はありません。ついそのままにしがちですが、自覚症状はなくても心臓や血管への負担は確実に積み重なっていきます。そうしてある日突然、脳卒中や急性心筋梗塞、急性大動脈解離、動脈瘤破裂を発症します。
血圧
血圧とは、文字通り血管にかかる圧力です。血圧には上の血圧(収縮期血圧)と下の血圧(拡張期血圧)があります。心臓が収縮して全身に血液を送り出すときの血圧を「上の血圧」、送り出した血液が心臓に戻ってきて心臓が拡張したときの血圧を「下の血圧」といいます。
上の血圧と下の血圧の差を脈圧といい、40〜60が正常の目安です。脈圧が大きい場合、動脈硬化の進行や弁膜症の可能性があります。脈圧が小さい場合、下の血圧が高く、比較的若年に多いです。
上の血圧と下の血圧どちらも大事ですが、上の血圧の方が重視されます。
血圧 = 心拍出量(1回拍出量×心拍数)× 末梢血管抵抗
心拍出量・・・1分間に心臓から全身に送り出される血液の量
末梢血管抵抗・・・血管の硬さ
血圧は上記より定義されるため、高血圧症の治療はどの要因が血圧上昇に最も関与しているのかを判断して治療薬を選択します。
高血圧症でおこる主な病気
高血圧症は、原因のはっきりしない「本態性高血圧症」と他の疾患や薬剤の副作用が原因で起こる「二次性高血圧症」の2つに分類されます。高血圧症の約90%が本態性高血圧症といわれています。
高血圧症は健康寿命を縮める様々な病気の原因となります。
高血圧症でおこる主な病気は以下になります。
脳卒中(脳梗塞、脳出血)
心疾患(心不全、急性心筋梗塞、狭心症、心房細動)
血管疾患(急性大動脈解離、動脈瘤、末梢動脈疾患)
慢性腎臓病
脳卒中や心筋梗塞を一度発症してしまうと、その後の生活は一変します。高血圧症治療の最大の目的は、高血圧症に起因するこれらの病気の発症をできる限り予防し、健康寿命を延ばすことにあります。
治療について
高血圧症治療においては、科学的な根拠をもとに目標とする血圧値があります。
下記の血圧を目標に治療を行います。
【目標とする血圧値】
病院での血圧 家での血圧
75歳未満 130/80未満 125/75未満
75歳以上 140/90未満 135/85未満
血管は水道管と同じです。長く使っていると老朽化し、サビて脆くなって破れたり、詰まったりします。水道管は新品に交換できますが、血管は簡単には交換できません(できても人工血管置換術など大きな手術が必要になります)。
いかに血管を長持ちさせられるかが健康寿命を延ばすカギとなります。
生まれた瞬間から老化が始まり、何もなくても自然に老化は進行していきますが、高血圧症、糖尿病、脂質異常症、喫煙などがあれば余計に老化を早めてしまいます。
血管をいたわって健康寿命を延ばしましょう。
【日本人の平均寿命と健康寿命】
男性 女性
日本人の平均寿命 約81歳 約87歳
日本人の健康寿命 約73歳 約75歳
※健康寿命とは健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間のことです。